当院で診療できるその他の疾患
副腎腫瘍

ホルモンをつくる臓器である副腎に腫瘍が発生し、ホルモンを異常に産生します。ホルモン異常が続く場合、放置すると、血圧、体液のバランスなど、体の様々な機能が障害を受ける恐れがあり、腫瘍を摘出する治療が必要となります。画像検査で副腎に腫瘍が見つかった場合、まず血液や尿検査によってどのホルモンに異常を来しているかを確認し、疾患を確定します。これらの腫瘍には、体の中のステロイドホルモンが異常に分泌されるCushing病、カテコラミンという血圧をコントロールするホルモンが異常に分泌される褐色細胞腫、血液中の電解質であるナトリウムやカリウムを調節するホルモンが異常に分泌されるアルドステロン症、性ホルモンなどが異常に分泌される悪性の副腎癌などがあります。
患者様によっては、ホルモン検査で異常がなくても、腫瘍の大きさから癌が疑われるため手術を奨めさせて戴く場合もあります。
神経因性膀胱
排尿をコントロールしている神経回路のどこかに病気やけがによる損傷が生じ、おしっこを溜めたり、出したりすることがうまくできなくなった状態が「神経因性膀胱」です。症状としては、尿が近い・尿の回数が多い(頻尿)や夜間頻尿をはじめ、急に尿意を催す、トイレに間に合わない、尿が途中で止まる、尿に勢いが無い、お腹に力を入れないとおしっこが出ない、排尿に時間がかかる、まったく尿が出ない、おしっこをしてもまだ膀胱に尿が残っているような感じがするなど、多岐にわたります。
神経因性膀胱は、脳、脊髄、末梢神経という、排尿をコントロールしている一連の神経が障害されることによって起こるため、原因となる病気の治療を行うことはもちろんですが、薬物療法を中心とした対症療法的な治療も行います。また薬物療法でも十分な排尿が出来ない場合にはカテーテルで尿を排出する処置が必要になることもあります。
精索静脈瘤
精索静脈瘤とは、陰嚢内の静脈が膨らんで瘤状に太くなっている状態のことを言い、多くは左側に生じます。静脈弁の先天性不全や、左腎静脈が上腸間膜動脈により圧迫されて還流障害が生じ、静脈血が停滞・逆流することによって形成されます。一般的には無症状ですが、陰嚢部の痛みを訴えることもあります。
精索静脈瘤は不妊症の原因となりうることが知られており、男性不妊症の20%前後にこの疾患が認められます。お腹から流れてくる温かい血液が睾丸の温度を上昇させ、精子を作る機能に悪影響を及ぼすためだと考えられています。
治療は通常、外科的に静脈をしばる方法が採られます。疼痛が強い場合や、男性不妊症の原因と考えられる場合には、手術の適応となります。
陰嚢の大きさが左右で異なる、陰嚢表面にしわが寄ってでこぼこしているなどの症状があれば精索静脈瘤が疑われますので、泌尿器科へご相談下さい。